CC UCaaSはなぜ必要?

CCアーキテクトは、2024年6月より日本国内でFanvil/Linkvil製品のマスターディストリビュータをやらせていただいています。Fanvil/Linkvilはオフィス用IP電話機だけではなく、ドアホン、インターコム、構内放送アンプ接続、ナースコール機器、ホテル電話、SIPスピーカー、ヘッドセット等様々なデバイスを展開しています。

これらのデバイスは多くの機能を有していますが、今までのレガシーPBXにおいては、ビジネスPBXのメーカーさんがそれぞれ独自規格で開発されてきたものです。FanvilはこれらをIP/VOIPの世界で実現しています。Fanvilには数多くのデバイスがラインナップされているのですが、それを使いこなすにはPBXが必要になってきます。asterisk、3CX等オープン系のIP-PBXやクラウドPBXで利用できるので、それらのPBXや独自仕様のクラウドPBXを運営されているサービスプロバイダーさんはこれらのデバイスがあればより幅広いビジネス展開ができます。

しかし、今までNEC、OKI、日立、といったビジネスPBXを導入する工事を行っていた業者さんにとって、これらのHWを活用していくことは容易ではありません。クラウドPBXと呼ばれるサービスはほとんどのお客様は電話工事会社さんとは別のネットワーク業者さん経由だったり、Teams等のプラットフォームを導入するSI業者さん経由でお話を進めることが多いからです。

ところが、それらの業者さんはそこまで電話に詳しいわけでは無いので、既存のPBXからの移行はうまくいきません。既存のPBXを管理している電話工事会社さんもクラウドPBXにすることで自分たちの仕事が奪われてしまうので協力しづらい環境になり、結果既存の旧大全としたビジネスPBXを提案するという悪循環がここ数年繰り広げられています。

また、今までビジネスPBXを提供されてきたメーカーさんの機器を扱うにはその機種のライセンスを取得してコマンドや設定方法などを習得する必要がありました。電話工事会社さんは、こういったライセンスを保有する技術者を多く抱えることで、対応するメーカーのPBXをお客様に提案し、そのPBXの費用にマージンを乗せたものと工事費用をセットにしてお客様に提供するというビジネスモデルで安定した収益をあげてきました。

一方、クラウドPBXは月額のサブスクリプションでの価格体系となっており、既存のHWとの接続も限定的であるため、初期費用として大きなビジネスをすることは難しく、雀の涙ほどの設定費用をお客様からいただいてクラウド型の契約をしてもらうしかない状況です。これでは電話工事会社さんの持つノウハウが生かせず、月額課金のわずかなマージンで長期的に回収しようと思っても2,3年後にそのクラウドPBXが市場でどのような立ち位置にいるか見通せない現状では、電話工事会社さんがこれらのビジネスに踏み出すことの意味が見いだせないことは良く分かります。

電話回線の問題もあります。現在日本ではNTT,KDDI,ソフトバンクをはじめとした多くの電話会社が存在しますが、電話工事会社さんがそれぞれの電話番号の利用頻度や利用シーンなどをお客様からヒアリングして適切な電話会社を選定して提案されていることが多いと思います。それらも電話会社さんのノウハウの一つであり、代理店報酬などのビジネスにもつながっています。クラウドPBXでは、決められた電話会社の決められた回線を設定することになるため、そのノウハウも生かせず、ビジネスとしても今まで得られていた代理店報酬が得られなくなります。

これらの理由で電話工事会社さんはクラウドPBXへの移行のモチベーションが無いので、結局既存のレガシーPBXの提案をせざるを得ない状況です。

このことは、日本のPBXのクラウド化を大きく遅らせており、2025年現在グローバルのクラウドPBX導入率36%に対して日本は11%と、先進国とは思えないレベルの移行率を誇っています。業界団体の試算でも、2030年までにビジネスフォン市場が数%しか減らないという衝撃的な予測が、この現実を物語っています。

私たちCCアーキテクトは、電話工事会社さんが安心してお客様に提供できるプラットフォームを作れないかと永年模索してきました。クラウド化したとはいえ、外線の接続・内線電話の接続・ドアホン・インターホンなどの配線・外線番号ごとのなり分けや複雑なコールフロー、内線電話ごとの設定等、多くの現場で多くの電話システムを設定してきた電話工事会社さんのノウハウによってお客様が得られるものは数多くあります。

また、電話設定はクラウドで行うことができますが、災害による断線や物理的な電話機や周辺機器との接続などへの対応のため、物理的な距離が近い業者さんがメンテナンスが可能であることは依然としてお客様から求められています。

これらのノウハウをうまくサービス化し、お客様から信頼されるためには、いくつか重要なポイントがあると思っています。

既存HWとの接続性

既存のビジネスPBXは、電話回線・電話機・アナログFAX・ドアホン・構内放送・PHS・セキュリティ・防犯カメラ・電子錠・拠点間接続等にHWが使われており、それらの接続性の維持が必要になります。当然クラウド化で不要となる整理がつくものはそれで良いのですが、それ以外のものについては代替案やクラウドPBXでの接続性が必要になります。これらのHWとの接続性について電話工事会社さんに検討の余地があることが第一の条件と考えています。

小規模テナントの構築と維持

電話工事会社さんのお客様は、1台の電話機のお客様から数万台の電話機のお客様まで様々な規模で構築されています。特に数台~数十台規模のお客様を大量に抱えている工事会社様の場合、それらのクラウドPBX環境を維持・管理するには膨大なメンテナンスコストがかかりますが、そのメンテナンスコストに比してそれぞれのお客様から得られる対価はそこまで多くありません。テナントを1つ追加すること・維持管理することにまとまった費用がかかる費用体系ではビジネスを維持することが難しくなります。データ構造が独立したテナントを簡単に限りなく低いコストで作成できることは重要な条件であると考えています。

認定デバイスの接続性とカスタマイズ性

クラウドPBXには認定デバイスと呼ばれるIP電話機やゲートウェイが指定されていることがあります。これらの認定デバイスは、クラウドPBX業者にて評価した既定の設定が入っていますが、その設定以外では動作を保証されません。レガシーPBXはお客様ごとの複雑な構成環境のもと、様々な個別設定が行われていますが、それらの設定は、ライセンス保有した技術者がメーカーに問い合わせることでメーカー側の技術者が対応を検討できる体制がありました。プラットフォームの詳細仕様を理解した技術者が問い合わせることで、デバイスの詳細設定を調整することも必要であると考えます。

電話回線の自由度

電話回線の選定と構成は電話工事会社さんのコンサルティング能力を発揮する重要なファクターであり、それによりビジネス的対価を得ることも重要であると考えます。プラットフォーム標準で評価された電話回線があるのはもちろんのこと、電話工事会社さん独自で採用したい電話回線について、接続する自由度があることは重要です。

新しいNW技術の採用

レガシーPBXで使われていたPHSやアナログ電話等については、昨今のWIFI通信の向上により、WIFI電話やスマートフォンを活用することで安定した通信を安定的に行えるようになっています。特にスマートフォンの活用においてはレガシーPBXでの活用は非常に遅れており、限定的なアプリで限定的なユースケースでしか利用できないにもかかわらず高額であるのが現状です。オープンな技術を活用し、PHS/電話端末の代替としてWIFI電話やスマートフォンを活用する提案については避けては通れないものとなっています。

クラウドへ踏み出そう

レガシーPBXをお客様に導入するためにメーカーごとに検証用の高額な機器を購入し、ライセンス保有する技術者を長年かけて育ててきた電話工事会社さんにとって、これらを脱却してクラウドPBXへの変革を行うことは大きな決断でリスクを伴うものになります。

しかし、時代の流れが遅かれ早かれいずれクラウドに向かうことは避けようがありません。今始めることでクラウドでのプラットフォームを使ってどのようにお客様に価値を提供できるか考える時間が生まれます。CC UCaaSは、そのスタートを応援するため、電話工事会社さんのようなサービスプロバイダー様向けに永年無料のデベロッパープランで5つのテナントと5つのユーザの利用を開始できるようにしました。

ぜひ、CCUCaaSでクラウドへの第一歩を踏み出してください。私たちは、電話工事会社さんのクラウドへの一歩を全力で応援します!

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